【172】トルコウィークリー No.59 2017年3月20日

来月行われる国民投票に向けて欧州各国に住んでいるトルコ系移民の票を獲得したいAKPは色々な集会や演説を計画していた。しかし、オランダやドイツは政治集会に許可を出さず、集会に出席しようとしたトルコ閣僚の入国を阻止した。これに怒ったエルドアンはオランダとドイツを「ナチスの残党」と呼び強烈に批判した。昨日はドイツの情報機関及び公安当局であるBNDの会長がクーデターはギュレンの仕業であるとの証拠はないと発表し、特にドイツとエルドアンの対決が激化している。

エルドアンは国民投票に勝つために、ヨーロッパを悪者にし、トルコ国民の愛国心を煽ろうとしている。エルドアンメディアは「欧州はトルコの経済成長に嫉妬し、妨害しようとしている」と毎日のように放送している。しかし、トルコの輸出の6割以上がEU向けであり、EUとの対決は危険な賭けである。

オランダ政府のエルドアンへの厳しい対応が評価され、15日に行われた選挙で与党が勝利した。オランダでは極右政党の躍進が心配されただけに驚きの結果である。このことは年後半に連邦議会選挙があるドイツにとても大きなヒントになったであろう。極右政党の躍進を阻止したい欧州各国は今後イスラム主義と移民に対しては今までより厳しい態度で臨むであろう。

トルコリラの方は安定している。金曜日に格付機関のムーディーズ社はトルコ格付け見通しを引下げたが、今のところ市場の反応は限定的である。米国の利上げが確定してから日本円同様にトルコリラも対ドルで上昇している。悪材料がすべて織り込まれたためリラの下落に今のところ歯止めが掛かっている様子である。

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