【171】トルコウィークリー No.58 2017年3月10日

トルコ政府の関係者によると昨年7月のクーデター未遂事件後に発令された非常事態宣言は4月に再び延長される。90日だけのはずであった非常事態宣言は昨年の10月に初めて延長され、そして今年の1月に再度延長された。トルコの憲法は4カ月を超えない範囲での延長を認めており、延長回数に制限をおいていない。しかし、今回は3度目の延長になり、合計で1年間も全土にわたった非常事態宣言は前代未聞である。

非常事態宣言の延長には国会の承認が必要だが、AKPが単独過半数を確保しているので今回も簡単に承認されると見ている。非常事態宣言によって、大統領が議長を務める閣僚会議は国会の審議や議決を経ずに政令を発布できる。この政令はトルコ語でKHKと言われ、KHKは「法律と同等の効力を持つ」という意味である。国会の審議を通さずに政権運営を行うのはエルドアン大統領の就任当初からの狙いであるので、非常事態宣言とKHKという制度は非常に使い勝手が良いであろう。

今週のトルコリラは米国の3月利上げ観測の強まりを受け対ドルで大きく下落した。ドル高の基調は今後も続くが、ドルは3.8リラを超えないと考える。トルコ中銀は今週ドル売りを行い、実質為替介入を行った。国民投票の前にドルが4リラを超えるような事態はどうしても避けたい構えである。

(テキストのみで発信させていただいております。)

関連する動画