【165】トルコウィークリー No.54 2017年2月10日

2月9日にシリアで作戦を展開しているトルコ軍が使用しているシリア北部の施設がロシアの戦闘機によって空爆された。この攻撃で3人の兵隊が死亡し、11人がケガを負った。ロシアの戦闘機はISの施設だと勘違いして空爆したという。トルコ軍参謀本部はロシアの攻撃を誤爆と認めた上で、対ISの戦いにおいてロシアとの協力を続けると発表した。 トルコ軍が“ユーフラテスの盾作戦”を開始してから170日たっているが、ISとの戦いも激化している。作戦開始から今までに64人の兵隊が亡くなって、十数台の戦車がISによって破壊された。

7月15日のクーデター未遂以降にエルドアンはロシアに急接近し、両国の関係も回復したが、足元で再び揺らいできている。実は2月8日からCIA長官がトルコを訪れていて、ISの首都であるラッカ奪還に向けてトルコ軍に協力を求めている。ちょうどこのタイミングに合わせてロシアによる誤爆があったので、個人的には本当に誤爆なのかは少し疑問が残る。

外交政策で行き詰っているエルドアン政権は打開策を探して、ロシアに寄ったり、米国に寄ったりと方向感が決まらないのではないかと思われる。CIA長官はアンカラでトルコ政府と何を交渉していたのか詳細について公表されていないが、内容によっては再びロシアとの関係が悪化する可能性もある。

トルコリラの方だが、予想通りフィッチのレーティングの引き下げの後にリラ高になって来た。この流れがしばらく続くと見ている。米国は3月に金利の引き上げを行わない場合にドル・リラは3.5まで下落する可能性もある。

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